なぜ全知全能の神は、先住民族を皆殺しにさせてまで、狭いカナンの建国にこだわったのでしょうか?
まるで、中東しか知らないユダヤ民族の族長みたいではないですか? .
たとえば、神がアメリカ大陸の存在をご存じないはずはないので、偉大なお力で大西洋の荒波を二つに分けて民族を導けば、たやすく広大なユダヤ王国ができたはずです。
「先住民族の皆殺し」などを命じる必要はなかったのでは?
カナンの先住民族が悪だから?
それは、普通、全ての侵略者が言うセリフ。プーチンのように。
「ワシを崇拝しない奴は邪悪なのだ!」は、それこそユダヤ民族内部にしか通用しないし、その理屈だと他民族は皆邪悪で、皆殺しにしていいことになります。
回答
日本神話の古事記の成立過程と、旧約聖書の成立過程はよく似ています
日本神話の国造りに出てくる神様のスサノオが討伐したという八岐大蛇や、あるいは土蜘蛛(つちぐも)、熊襲(くまそ)と呼ばれるものは、迫害され、殺戮されていた地方の人びとへの蔑称です
土蜘蛛とは元は、土ごもりと言い、穴倉に暮らしている原始民族への侮蔑の言葉です
地方の人々を虐殺し、奴隷化し、差別し続けた歴史が、勝者側にのみ都合よく綴られているのです
しかし昔の人の価値観ですから、当時はこれが正史として重んじられたのです
今の日本人はそれを神様と呼んで祀っています
奴隷にされた黒人が、自国を植民地化した、昔の白人を拝んでいるようなものです
狩猟採取時代は、平等に分配されていた原始共産社会で、神もなければ、戦争もありませんでした
次いで、農耕社会になって血族が団結して農地を拡大していくと、他の血族との間で、農地争奪の戦争が始まります
負ければ、奴隷階級という被支配層となり、支配層と被支配層の階層社会が形成されていきました
支配者は、支配者たる理由が必要になります
そこで、神が作り上げられたのです
つまりは神に選ばれしものだから支配する側なのだ、という論理です
古事記、日本書紀の編纂を命じたのは天武天皇です
天武天皇が実権を握ったとき、天智天皇の子を殺害した。これが壬申の乱です
天武天皇は出自があいまいで、得体のしれない人物
天智天皇の弟というのも嘘と思われます
天武天皇は天智天皇に近寄って、その家系を根絶やしにして権力を握った
そういう人物が最初に何をするかというと、自分の正当性を世に訴えること
自分が正統であるという歴史書を編纂してそれを世間に広めればよい
古事記、日本書紀はそういう視点から編纂されたようです